次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエル|塗装鋼板|日鉄住金鋼板株式会社

日鉄住金鋼板株式会社

新日鐵住金グループ

エスジーエル SGL®

表面処理めっき鋼板の最高峰

ガルバリウム鋼板®の発売から約30年。
確かな実績を持つガルバリウム鋼板をベースにマグネシウム(Mg)の防錆効果をプラス。
ガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を実現しました。
とくに、腐食が起こりやすい切断端部や傷部などの腐食抑制効果が大きく、
厳しい腐食環境でもガルバリウム鋼板を超える耐食性を実現。
カラー鋼板の下地としても最適で、加工性も良好です。

  • 当社複合サイクル試験の腐食減量測定結果から推定。

エスジーエルとは?

エスジーエルは、ガルバリウム鋼板(55%アルミ-亜鉛合金めっき鋼板)をベースに、
さらなる耐食性向上を実現した次世代ガルバリウム鋼板です。

亜鉛めっき鋼板 ニスクジンク→ガルバリウム鋼板→エスジーエル

わが国の人口減少、少子高齢化といった社会構造の変化により、建築物はフロー型からストック型への転換期に入りつつあります。それに伴い、めっき鋼板商品など建築外装材へのさらなる耐食性向上ニーズが高まってきております。こうしたニーズを先取りし、日鉄住金鋼板はガルバリウム鋼板のパイオニアとして、長年の実績と最先端の技術開発により、革新的な耐食性を持つ次世代ガルバリウム鋼板を作り上げました。

エスジーエルはガルバリウム鋼板のめっき組成に新たにマグネシウムを追加。ガルバリウム鋼板独自の合金めっき構造を踏襲しつつ、マグネシウムの働きによってめっき層を強化したことで、ガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を獲得しました。その独自の「耐食性向上メカニズム」によって引き出される性能は、あらゆる環境下でガルバリウム鋼板を上回るパフォーマンスを実現します。とくに厳しい腐食条件下や切断端部・傷部において、その効果は抜群です。
エスジーエルは時代の要望に応える、当社の叡智を結集した新しい素材です。

エスジーエル 名前の由来
エスジーエル Superior(上質な)・Special(特別な)・Super(超越した) 次世代ガルバリウム鋼板

アルファベットの「S」には、Superior(上質な)・Special(特別な)・Super(超越した)など、優れた特性を示す言葉の頭文字に多く登場します。
また、ガルバリウム鋼板は市場に広く定着しており、その略称として「GL」という呼び名が日常的に用いられています。
本商品の上市にあたり、次世代ガルバリウム鋼板としての特長を端的にお伝えするため、「優れたガルバリウム鋼板」を想起させる「エスジーエル」と名称を定め、ガルバリウム鋼板同様、お客様に広く親しんでいただきたいという思いを託しました。

エスジーエルの変遷

鋼板を錆から防ぐ表面処理技術の中でも、亜鉛めっき鋼板の持つ「犠牲防食作用」は、効果的に鉄の腐食を防ぐ代表的なメカニズムとして古くから活用されてきました。
20世紀に入り、亜鉛めっき鋼板は、日本の近代化の歴史に深く関わりながら、おおむね30年ごとに大きな進化を遂げてきました。
ガルバリウム鋼板の国内初生産から約30年。エスジーエルはガルバリウム鋼板のさらなる進化形として誕生しました。

1872

鋼板製屋根が国内初採用

長い鎖国が明け、明治初頭には海外から多彩な建築資材が伝えられるようになりました。鋼板製の屋根材が初めて採用されたのもこの頃と言われています。
日本初の鉄道が開通したこの年、ターミナル駅の「横浜駅」「新橋駅」に鋼板屋根が採用されたとされています。

1906

亜鉛めっき鋼板、国内初生産

鋼板屋根の需要の高まりを受け、官営八幡製鐵所において、国内初の亜鉛めっき鋼板製造が行われました。
当時は大半の工程が、人手によって行われていました。

1953

連続式亜鉛めっきライン、国内初稼働

戦後の混乱期を乗り越え、この年、八幡製鐵において連続式亜鉛めっきラインが稼働開始しました。
これにより、良質な亜鉛めっき鋼板コイルが安定供給できるようになり、長尺屋根工法をはじめとした多様な用途開拓がなされました。

1982

ガルバリウム鋼板、国内初生産

表面処理めっき鋼板のさらなる耐食性向上ニーズに応え、この年、大同鋼板(現:日鉄住金鋼板)において、ガルバリウム鋼板が国内で初めて商用生産されました。

1996

次世代型ガルバリウム鋼板の開発に着手

当社は、ガルバリウム鋼板が市場定着しつつあったこの時期から、さらなる耐食性向上を目指した取り組みをスタートさせました。

2001

マグネシウム添加ガルバリウム鋼板の初トライアル

「ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加する」商品構想を固め、
この年、エスジーエルの原型となる鋼板を初生産しました。
その後、長年にわたり入念な性能評価と試作を繰り返し、めっき組成の最適化に取り組みました。

2010

豪ブルースコープスチール社との共同開発を開始

この年、新日鐵住金グループと豪ブルースコープスチール社は、次世代型高耐食性鋼板の開発アライアンスを締結。
双方の知見を合わせて開発を加速させました。
そして、新日鐵住金グループとして、エスジーエルに係る特許を取得。
来たるべき商用生産に向け、実ラインでの試作を繰り返し実施してきました。

2013

エスジーエルの誕生

エスジーエルのめっき組成の秘密

エスジーエルのきわめて高い耐食性は、ガルバリウム鋼板の絶妙なめっき組成、
そして最適なバランスで添加されたマグネシウムによって実現しています。

図1

アルミニウム含有率と耐食性の関係

亜鉛めっき中にアルミニウムを添加すると耐食性が向上する作用があります。ただし、その含有率によって特性は大きく変動します。
図1は、亜鉛めっき中のアルミニウム含有率と腐食減量の関係を示したものです。アルミニウム含有率5~10%前後で一定の耐食性向上が得られます。その後、含有率20%前後でいったん耐食性が悪化し、以降は耐食性向上の傾向を示します。

しかし、アルミニウム含有率が高くなりすぎると、亜鉛の犠牲防食作用が働かなくなります。その結果、切断端面や傷部の耐食性がなくなり、鋼板の腐食が進行してしまいます。

写真1

写真1は、アルミニウム含有率を変えた塗装めっき鋼板を長期曝露し腐食状況を確認したものです。55%アルミ・亜鉛合金めっき(ガルバリウム鋼板)に比べ、マグネシウムを添加した試験体(SGL試作品)の方が良好な経過を辿りました。アルミニウム含有率が高すぎる(約70%)試験体は、マグネシウムを添加しているにもかかわらず、ガルバリウム鋼板よりも腐食が進行してしまいました。

エスジーエルとガルバリウム鋼板のアルミニウム含有率「55%」は、アルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食作用を両立させる絶妙の含有率であることが分かります。

マグネシウムの耐食性向上効果

アルミ・亜鉛合金めっきにマグネシウムが共存することで、緻密な亜鉛系酸化物等が生成し、安定化することが知られています。これらは水に溶出しにくいため保護効果が高く、しかも電子伝導性が低いため腐食電流を抑制する性質を持っています。エスジーエルはこの作用を活用するため、亜鉛リッチ相にマグネシウム濃化相が共存するめっき設計となっています。

亜鉛系酸化物等の種類 特長 電子伝導性
酸化亜鉛 保護効果低い 半導体
水酸化亜鉛 保護効果高い 絶縁体
塩基性炭酸亜鉛
塩基性塩化亜鉛

最適バランス「マグネシウム2%」

エスジーエルに添加するマグネシウムは、めっきの耐食性を最大限に発揮できる含有率「2%」に調整されています。試験および曝露評価によって耐食性の検証を重ね、2%が耐食性向上に最適なバランスであることを確認しています。

切断端部・傷部の耐食性

切断端部や傷部など、地鉄が露出した部分は赤錆が発生しやすくなります。
しかし、エスジーエルは、こうした部分の腐食進行を強力に抑制します。
エスジーエルの亜鉛リッチ相には、主成分の亜鉛とアルミニウムに加え、マグネシウムが含まれています。マグネシウムは亜鉛よりイオン化しやすい性質を持っており、犠牲防食作用を向上させ、地鉄露出部への亜鉛系保護皮膜の形成を促進する効果があります。さらに、マグネシウムの働きで保護皮膜が緻密となり安定化するため、ガルバリウム鋼板以上の切断端部・傷部耐食性が得られます。

切断端面の観察結果

エスジーエルの切断端面部では、地鉄露出部へめっき成分が回り込み、十分な保護皮膜が形成されることで、腐食の進行を抑制しています。