コラム:めっきにこだわる理由

塗膜だけでは腐食促進物質を完全に遮断できない

耐食性向上という観点から、塗膜や防錆顔料の設計は非常に重要ですが、一般的に塗膜は腐食促進物質(水、酸素、塩素等)の侵入を「抑制」することができても「完全に遮断」することはできない(透過する)ことが知られています。また、塗膜の経年劣化による遮断機能の低下や傷が生じてしまった場合、そこを起点に腐食が進行してしまうことも考えられます。つまり、塗膜だけで腐食の進行を抑制するには限界があり、めっきの耐食性向上が非常に重要になります。

一例として、右の写真は同一壁面に塗装GLと塗装SGL(両者の塗膜は同じもの)を張り合わせして施工した物件の経年観察結果です。(a)塗装GLは、塗膜にクラックの入った曲げ加工部だけでなく、クラックも傷もないはずの「平面部」からも多数の白錆発生が確認されます。これは、平面部の塗膜下に腐食促進物質が侵入し腐食が進行したことを示唆します。一方で、(b)塗装SGLは平面部での白錆発生を抑制していることが確認できます。これは、めっき原板(エスジーエル)の耐食性が高く、塗膜下での腐食を抑制している為と考えられます。
以上のことからニスクは、お客様により長く、より安心してご使用いただくために、塗膜のみならずめっき鋼板にもこだわりを持ち、トータルで耐久性の高い塗装鋼板の設計を行っています。

(a)塗装GL:平面部からの白錆が多く見られる
(b)塗装SGL:平面・加工部の耐白錆性向上
  • 実物件調査の結果(新潟県佐渡市, 離岸距離約60m, 軒下部, 5年経過)